医療用大麻が日本でついに解禁へ。世界では嗜好用としても解禁されていくグリーンラッシュ
マリフアナ青春治療〜大麻はそんなに悪いのか!?
ついに日本でも医療用大麻が解禁へーー。4年前、アメリカでは嗜好用大麻が解禁された州で、あっという間にバドワイザーの売り上げを抜いたという衝撃のニュースがあった。グリーンラッシュといわれる世界的な大麻解禁の流れの中で、現在カナダで経営コンサルタントとして活躍している工藤悠平氏は『マリフアナ青春治療』を著し、日本での医療用大麻解禁をいち早く語っていたひとりだ。2020年当時、工藤氏が世界の大麻事情をレポートしたときの記事を再配信する。
■留学生の七割が大麻経験者?
海外に住んでいると、決して報道されることのない日本の秘密を知る機会がたまにある。今回は大麻に関しての日本の闇にも 少し触れていきたいと思う。
筆者がカナダに移住してから二年ほどが経過し、さらにはカナダにおいて大麻が解禁されてからも数ヶ月が経過した。とはいうものの拙著『マリフアナ青春治療』(KKベストセラーズ)でも触れた通り、カナダにおいては事実上大麻は解禁前からある程度は自由に購入できる環境にあった。そのため、大麻が法律的に合法になったといっても国民の意識まではそこまで変化はないうえに、これまでより税率が上がった不満の方が大きいようにさえ思える。
しかしながら大麻の合法化をへて、日本からの留学生の意識はこの一年で大きく変わったように思う。
まず前提として、留学先にバンクーバーを選んだ日本人学生で、ある程度長期滞在(一年程度)を経験した方なら筆者の取材する限りにおいてはその七割以上が大麻の喫煙経験がこれまでもすでにあったようだ。しかもその多くの方々が日本人に対してはそのことを隠していたとのことだ。
ところがカナダにおいて大麻が解禁された時点よりも後辺りからは隠れることなく大麻を喫煙している日本人も見かけるようになってきたように感じる。
おそらくこれは、ヨーロッパから来た留学生などは日本人に対して大麻を勧める光景は以前からあったものの、昨年までの違法状態であれば断っていただろう人たちが、現在のカナダなどの法律を調べたうえでカナダの法律に従った喫煙ならそこまで咎められないだろう、との意識がその要因の一つと感じている。
さらには、そもそもカナダは多国籍国家であるため、「日本人の見た目をしていて日本語を話す」人であっても「カナダ人」である可能性もある。このような状況にあっては日本から来たばかりの日本人からしても、「日本語を話している」からといって日本人であるだろうということも決め付けにあたることさえあるのだ。
つまり日本から来たばかりの留学生からすると堂々と大麻を吸っている日本人を突然注意してしまうことは、必ずしも「良いこと」とはならないのである。なぜなら、大麻が合法化されたカナダにおいてカナダ人に対してはそれを注意したところで「何も悪くない」からである。